認知症予防と関係あるの??
「スマヌ法」とは
スマヌ法とは、認知症の一歩手前の段階(軽度認知障害)をセルフチェックする方法のことです。
やり方としては、2人1組になり、1人がもう1人の背中に大きく「ス」「マ」「ヌ」のどれかを書き、書かれた文字を当てるというものです。
注意すべき点は、「ス」「マ」「ヌ」はカタカナで書くこと。
そして、書く文字を変えながら合計6回行います。
6回中3回以上間違った場合には、軽度認知障害の可能性が高いと言われています。
しかも、なんで間違ったら軽度認知障害って言えるのさ?
「スマヌ法」が軽度認知障害を発見できるワケ
軽度認知障害は、認知症になる一歩手前の段階のことで、記憶障害はまだあまり出ていない状態を言います。
日常生活に影響はほぼないので、気付かれないことも多いのです。
しかしながら、このまま放置していると、遅かれ早かれ大半の人は認知症を発症してしまいます。
だからこそ、軽度認知障害のうちに発見し、認知症予防を始めることが効果的なのです。
ではなぜ、軽度認知障害を発見するのに「スマヌ法」が役立つかというと、軽度認知障害では初めに「視覚・聴覚・触覚」の機能が低下することが多いからです。
視覚や聴覚というのは自分自身でも気づくことが容易いものですよね。
最近よく見えないな…とか、話が聞こえにくい…とか。
ですが、触覚というのは案外気づきにくいものなのです。
触覚が鈍っているせいで、熱いものを平気で触って、気付いたらやけどしていた…なんていう話も聞いたことがありますよね?
背中は、身体の中でも特に皮膚が厚く、感覚が鈍いと言われています。
その背中に書かれた文字を正確に判断できるかどうかで、脳の働きが衰えていないか確認することができるのです。
「スマヌ法」は特に似ている3文字を判断するゲームですから、「軽度」な認知障害も、早期発見することができるのです。
「スマヌ法」で、認知症を意識するきっかけに
認知症を予防するためには、軽度認知障害のうちに、自分自身が認知症予備軍であることを認識し、予防法を始めることが大事と言われています。
現代の医療では、残念ながら、認知症を発症してしまってからでは、完全に治癒する方法は見出されていません。
だからこそ、事前に予防することが大事なんですよね。
でも、自分が認知症だということを、多くの人は認められません。なぜか自分だけは違うって思ってしまうんですよね。
そもそも認知症は、2012年の段階で、65歳以上の高齢者の約7人に1人が患っており、2025年には約5人に1人になるという推計もあるほど、認知症は誰にでも発症リスクのある病なのです…。なのに認められないんですよね。(参考:内閣府 高齢者の健康・福祉)
完全に認知症を発症してしまってからでは、特に認め辛いと言われています。
軽度認知障害のうちであれば、認めたくない気持ちはあるにしても、今のうちに予防をしようと思えるかもしれません。
早く気付くことさえできれば、予防法をいろいろやってみたり、薬も飲めたりと、認知症の進行を遅らせることができます。
認知症を予防するには、いち早く「気付く」ことが大事なんだと思います。
まとめ
「スマヌ法」は、テレビでも度々取り上げられていますし、NEXCO東日本では、高速道路の逆走防止を呼び掛ける運動の中で、判断力のチェック方法として、この「スマヌ法」を紹介しています。
これだけ紹介されているのは、「スマヌ法」が手軽にできて、でも軽度認知障害の発見にはとても効果的ということなんだと思います。
認知症は予防が大事とはいっても、多くの人が自分だけは認知症にならないと思いがちですし、なかなか予防法を実践してみようという気にはなりません。
ですが、もし「スマヌ法」で6問中3問正解できなかったらどうでしょうか。
もしかしたら私も認知症予備軍なのかも…って考えるきっかけになりますよね。
ちょっと意識が変わるだけで、予防法を実践する確率はぐんと上がります。
「スマヌ法」は簡単で、家族で和気あいあいとゲーム感覚で楽しみながらできるものです。
自分の家族にもしかしたら「軽度認知障害」かも…って思う人がいたら、ちょっとゲームしない?と、気軽な感じでやってみるといいのではないでしょうか。
病院に連れていくにも、結果を見せてからのほうが、本人も納得しやすいので、連れていきやすいですよね。
自分自身、また、大切な家族が長く健康でいられるように、軽度認知障害を「スマヌ法」でセルフチェックしてみましょう。
早期発見することで、予防法の実践にも前向きになれるはずですよ。