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目に良いだけじゃない、認知症予防に「冷凍ブルーベリー」

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ブルーベリーと言えば、「目に良い」ということで有名ですが、具体的にどの栄養素がどのような効果をもたらすのかって知っていますか?

実は、最近の研究では、ブルーベリーには認知症にも効果があるというような結果が出ました。

どうやら、ブルーベリーの持つ力は、「目」だけに限ったことではないようです。

あまり知られていない驚くべきブルーベリーの力、そして、認知症予防への効果について、お話していきたいと思います。

 

 

ブルーベリーとは

まず初めに、基本的なことのおさらいから…

ブルーベリーは、ツツジ科のスノキ属、北アメリカ原産の低木果樹です。

果実が青紫色になり、またその実が小さいことから、「ブルーベリー」と呼ばれています。

日本での旬は6~8月頃。寒暖に強く育てやすいため、家庭でも簡単に栽培することができる果樹です。

目に良いということで有名ですが、実はその栄養価はとても高く、様々なことへの効果が期待されており、アメリカではスーパーフードと言われているほどです。

JillWellington / Pixabay

 

ブルーベリーの栄養素はその「色素」にあり

ブルーベリーの栄養素は具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

ここではブルーベリーがもつ代表的な栄養素3つをご紹介したいと思います。

 

アントシアニン

アントシアニンは、ポリフェノールの一種であるフラボノイドの1つです。

青紫色はこのアントシアニン特有の天然色素です。同じ青紫色である、ナスや紫芋なんかもアントシアニンを含む食材ですが、ブルーベリーは特に色が濃く、含有量が高いと言われています。

アントシアニンの効果としては、主に「抗酸化作用」が挙げられます。

抗酸化作用とは、体内の有害な活性酸素の発生を抑えたり、除去する働きのことです。活性酸素(呼吸によって取り入れた酸素の2%ほどが、活性酸素になると言われています。)は、体内に侵入したウイルスや細菌と戦ってくれる必要不可欠な物質ではありますが、量が多くなりすぎると、元気な細胞に攻撃(酸化させる)するようになってしまいます。

細胞が酸化してしまうと、身体の老化やがんの発生、免疫機能の低下、生活習慣病(動脈硬化や脳卒中)の発生につながります。

ですので、抗酸化作用のあるアントシアニンをたくさん含むブルーベリーは、身体にとても良いと言えます。

 

また、アントシアニンには、ロドプシンという物質の再合成を促す効果があると言われています。

この効果こそ、ブルーベリーが目に良いと言われている所以です。

ロドプシンは、目の網膜にある色素で、ロドプシンに光が当たることで「見える」となるのですが、長時間目を使っていると、ロドプシンの再合成が遅くなり、見えにくくなってしまうのです。そこでブルーベリーを食べると、ロドプシンの再合成を促しますので、眼精疲労を回復させることができると言われています。

 

ビタミンE

ビタミンEもアントシアニンと同様に「抗酸化作用」のある栄養素です。活性酸素の発生を抑え、身体の老化を予防します。

また、血行促進の効果がありますので、肩こりや腰痛、冷え症などの血流が原因となる体調不良の改善にも効果が期待できると言われています。

 

食物繊維

ブルーベリーには食物繊維も豊富に含まれています。だいたいブルーベリー100gあたり3.3gの食物繊維が含まれていると言われていますが、これは食物繊維が豊富と言われているごぼう(5.7g/100g)よりは少ないですが、白菜(1.3g/100g)やセロリ(1.5g/100g)の2倍以上の含有量です。

食物繊維を摂取すると、便秘が解消され、腸内環境が整えられます。腸内環境が整うと、栄養素をきちんと吸収し、体内に運んでくれるので、肌の調子も良くなります。

 

ブルーベリーの認知症への効果

アメリカの栄養神経科学(Nutritional Neuroscience)の雑誌を見たところ、認知症とブルーベリーに関する記事がたくさん見つかりました。

ある臨床実験では、ブルーベリーを摂取した高齢動物は、認知能力と神経機能が改善したことを示し、その結果には、アントシアニンが関連していることを確認しています。人間においても、ブルーベリーを摂取した人は摂取していない人に比べ、脳内の様々な箇所において、神経の活性化が見受けられたと言います。
(参考文献:※1)

また、別の実験では、60歳から75歳までの男性13人と女性24人を無作為に2つのグループに分け、片方のグループには新鮮なブルーベリー1杯を、もう一方にはプラセボ(ブルーベリーと言ってあるが、実は効能のない薬)を90日間与えたところ、ブルーベリーを摂取したグループのほうが、認知テストにおいてよい結果を出したと言います。
(参考文献:※2)

これらの研究結果より、ブルーベリーは認知症の改善、予防に効果があると考えられます。
認知機能に不安を感じたら、ブルーベリーを食べるようにするのはとても効果的なことだと思います。

そして現在も、認知症とブルーベリーの関係に関する研究は進められていますので、今後の研究結果にも注目していきたいですね。

 

認知症予防に効果的なブルーベリーの食べ方

認知症予防にもブルーベリーは効果があるということがわかりましたが、食べ方は何でもよいのでしょうか。もし、効果的な食べ方があるとするなら、知っておきたいですよね。

実は、一番のオススメは「冷凍」なんです。

「生」のまま食べるのが一番栄養価が高いまま摂取できると思われがちですが、実はそうでもないようなのです。

イギリスのチェスター大学が発表した論文によると、3分の2ほどの果物や野菜については、冷凍したもののほうが生のものより栄養価が高くなる結果が出たというのです。

ブルーベリーは冷凍することにより、果皮の細胞が壊れるため、栄養が吸収しやすくなるそうです。
また、生のものは収穫から口に入るまでに、移動やスーパーに陳列される時間もあるため、最低でも数日経過していることが多く、その間に栄養価がどんどん落ちてしまいます。
それに比べ、冷凍ブルーベリーは、収穫後すぐに冷凍されているため、栄養価の高い状態で保存されていると言えます。
昔に比べ、冷凍の技術も上がってきていますので、味が落ちるということもなく、おいしく栄養価の高い状態のまま、皆さんの食卓へ届けることができるのです。

冷凍ブルーベリーは、今やスーパーでもコンビニでもどこでも簡単に入手できる時代です。
冷凍庫に入れておけば、ヨーグルトを食べるときにちょっと乗せたり、スムージーにして飲んだりと、いろいろと活用ができると思います。
そういうのが面倒だという方も、冷凍ブルーベリーは、そのまま食べても、シャーベットのようでとてもおいしいので、ぜひ1袋冷凍庫に入れてみてください。

なお、冷凍ブルーベリーを使用した簡単な認知症予防レシピは、こちらの記事で紹介しています。
手を動かす時間が10分以内の簡単なレシピだけを厳選して紹介していますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います…!

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ちなみに、ブルーベリーというと、ジャムを思い浮かべる方が多いと思います。

ジャムは加熱しているものですので、生のものに比べ、栄養価は下がります。具体的に言うと、ビタミンCや葉酸といった成分が落ちてしまいます。しかし、アントシアニンや食物繊維は加熱してもなくなりませんので、これらの効果はジャムを食べることでも十分期待できます。

冷凍ものや生のものは酸っぱくて苦手という方は、ジャムで摂取するのもありですよ。

 

まとめ

ブルーベリーに含まれる栄養成分は、目に効くものだけではないんです。

特に豊富に含まれるアントシアニンという成分は、目をよくするのはもちろんのこと、身体の老化やがん、生活習慣病の予防にとても効果的です。
また、アントシアニンが認知機能の改善に関係しているという研究結果も出ています。

アントシアニンを摂ることで、直接的な認知症予防になりますし、生活習慣病を予防することで生活習慣病から引き起こされる認知症も間接的に予防できます。

これほどまでに認知症に効果のある食材はほかにあるでしょうか。

また、ブルーベリーの中でも、手軽に手に入れられて簡単に食べることのできる「冷凍」ものが一番栄養価が高いと言うのですから、さっそく冷凍ブルーベリーを買ってきて、冷凍庫に常備しようと思います。

手軽においしく食べられる「冷凍ブルーベリー」で、認知症予防を始めましょう。

 

<参考文献>

※1

Erin L. Boespflug, James C. Eliassen, Jonathan A. Dudley, Marcelle D. Shidler, Wilhelmina Kalt, Suzanne S. Summer, Amanda L. Stein, Amanda N. Stover & Robert Krikorian (2018) Enhanced neural activation with blueberry supplementation in mild cognitive impairment, Nutritional Neuroscience, 21:4, 297-305, DOI: 10.1080/1028415X.2017.1287833

 

※2
Dietary blueberry improves cognition among older adults in a randomized, double-blind, placebo-controlled trial.

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