えごま油が脳に良いとか、認知症予防に効果があるという話を聞いたことはありますか?
これまでメディアで取り上げられることもしばしばありましたので、知っているという方や、実際にえごま油を積極的に摂るようにしているという方もいるかと思います。
しかし、取り上げるメディアによって言っていることが少し違ったりすることも…(;´・ω・)
中には何が本当かわからず、結局えごま油には手を出せてないという人もいるのではないでしょうか。。
実際のところ、えごま油には認知症予防にどれほどの効果があるのか、また、どのように摂取しても同じ効果が期待できるのかといったことを、探っていきましょう。
えごま油が認知症予防に効果的と言われる理由
えごま油が認知症予防に効果的と言われるのには、えごま油に含まれる「αリノレン酸」が影響しています。
αリノレン酸は、体内に取り込むと、DHAとEPAに変換されます。DHAとEPAについては、ご存知の方も多いと思いますが、青魚に多く含まれている不飽和脂肪酸です。
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脳にいい食材「青魚」がもたらす認知症予防の効果
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こちらの記事で詳しく紹介していますが、DHAは脳神経の新生や脳を活性化することで認知機能の低下を防ぐ効果があり、EPAは血液をサラサラにし、動脈硬化や心筋梗塞などの認知症の原因と言われる生活習慣病を防いでくれると言われています。
どちらも認知症予防に効果がある栄養素ですよね。
そして、そのDHAとEPAに変換される元である「αリノレン酸」が、えごま油には豊富に含まれているというわけです。
えごま油以外の油では認知症予防に効果はない?
えごま油以外の油は、認知症予防に効果はないのでしょうか。
以前テレビ番組で、アマニ油やココナッツオイルがいいという話を聞いたことがありますが、これって本当なのでしょうか。
まず、アマニ油ですが、アマニ油はえごま油と同様にαリノレン酸を豊富に含む油です。すなわち、摂取すれば体内でDHAとEPAに変換されるものですので、認知症予防には効果が期待できると言えます。
ちなみに、えごま油やアマニ油に含まれるαリノレン酸は、体内で生成することのできない成分のため、食事で摂取するしかありません。
認知症予防のために積極的に摂取したいところですね。
そして次にココナッツオイルですが、こちらは中鎖脂肪酸を含む油です。中鎖脂肪酸は体内に取り込むと、一部が肝臓でケトン体という成分に変換されるのですが、このケトン体が認知機能を向上させる効果があると言われています。なので、ココナッツオイルが認知症予防に効果的という話も本当と言えます。
しかし、ココナッツオイルには注意すべき点もあります。
ココナッツオイルは飽和脂肪酸を豊富に(90%以上)含むのですが、飽和脂肪酸は多量に摂取すると動脈硬化などの心臓疾患に影響するともいわれているのです。
認知症に効果のある中鎖脂肪酸も飽和脂肪酸の一種ではあるので、いい面もあると言えるのでしょうが、摂りすぎは危険ということですね。
ちなみに、ニュージーランドの心臓協会は過去に、ココナッツオイルを日々の料理に使用する植物油としては勧められないということを発表しました。また、アメリカの心臓協会も2017年にココナッツオイルの摂取を控えるように警告をしています。。
えごま油は熱に弱いって本当?!加熱したら効果は減ってしまうのか。
えごま油ですが、熱に弱いという話をよく耳にしますが、本当に熱に弱いのであれば、調理方法が悩ましいですよね。
毎日摂取したいのに、生で食べる方法と言えばドレッシングくらいしか思いつかない…
実際メディアで取り上げられた時も、サラダにかけたり茹で野菜にかけたりと、あまり料理の幅は広がらなさそうでした。。。
でも実は、えごま油の加熱による成分への影響について、とても興味深い研究結果があったのです。
その内容を要約すると、180℃で70分までの加熱であれば、えごま油のαリノレン酸の残存率は90%以上であり、栄養的にも食品衛生上も支障があるほどではなかったといいます。
(参照:エゴマ (シソ) 油の加熱安定性と食品成分添加の影響 )
αリノレン酸を少しも減らさずに100%摂取したいということであれば、加熱は避けたいところですが、毎日の食事ともなれば、90%摂取できれば十分ですよね…。
加熱調理は絶対ダメだと考えると、えごま油を摂取すること自体億劫になってきますが、そこまで気にする必要がないとなれば、気楽に料理に使えそうですね!加熱(高温でなければ)OKですし、えごま油を使った料理の幅も広がりますね。
認知症予防に効果的なえごま油の摂り方
えごま油の摂取量ですが、1日あたり小さじ1杯程度が推奨されています。
厚生労働省が公表している、αリノレン酸を含むn-3系脂肪酸の食事摂取基準量を見てみると、成人男性で約2.2g/日、成人女性で約1.8g/日です。
(参照:日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要)
えごま油のαリノレン酸の含有量というと約60%と言われていますので、1日小さじ1杯のえごま油を摂取すると、小さじ1杯が約4gなので、4g×60%=2.4g摂取できることとなります。
摂取方法については、ベストは生の状態で食べること。ドレッシング代わりにサラダにかけたり、納豆に混ぜたり、飲み物に加えてみたり…。
加熱調理も180℃70分以下であればOKではありますが、効果を求めるなら、加熱するとしてもできるだけ低温で加熱時間は短くしたいところです。お味噌汁やパスタの仕上げで入れたりするのは、よくおすすめされていますよね。野菜炒めも始めから入れるのではなく、最後の仕上げにかけるのであれば、いいですよね。
ぜひ、えごま油を色々な料理に試してみてください。
また、おすすめのえごま油ですが、搾油する際に加熱されていないものがおすすめです。おそらく市場に出回っているものは、加熱搾油されているものが多いかと思われます。非加熱搾油のものは、熱を加えずゆっくり圧縮して油を抽出しているので、αリノレン酸の含有量が加熱搾油のものより高いんです。ただ、抽出には時間も手間もかかるため大量生産には向いておらず、市場に多くは出回らないんですね。
商品を買う前に搾油方法がどうなっているのか、確認してみてくださいね。
とはいえ、なかなかどれを購入したらよいかわからないという人は、ecobito&farm companyさんの「九州産 えごま油」がオススメです。
こちらのえごま油は、九州産(100%自社農園+契約農家栽培)のえごまを使用し、昔ながらの非加熱の搾油方式で抽出しています。また、えごま油は酸化しやすいため、早めに使い切らないといけないのですが、ecobito&farm companyさんのえごま油であれば、1回分(3g)ずつ個包装になっているので、いつでも新鮮なえごま油を摂ることができます。
スティックタイプで持ち運びにも便利なので、外出先でのごはんのときにも、サラダにかけたりスープにかけたりと、いつでもえごま油をとることができますよ!
なお、えごまといえば‟葉っぱ”を思い浮かべる人もいると思いますが、葉の部分にもαリノレン酸は同じように含まれているので(むしろ油だけより食物繊維もとれる!)、えごまの葉を摂取することもおすすめです。
まとめ
えごま油が豊富に含むαリノレン酸は、体内でDHAやEPAに変換されるんですね。
えごま油が認知症予防に効果的と言われていることにも納得です。
摂取方法も、加熱調理は一切ダメだと思っていましたが、ある程度であれば影響があまりないこともわかり、えごま油へのハードルが一気に下がりました。
これから毎日1日小さじ1杯のえごま油を摂取し、認知症予防を始めていきましょう。
ちなみに、いくら認知症予防に効果的だとはいえ、えごま油は油ですので、摂りすぎは禁物です。カロリーも高いですし、せっかくの効能を台無しにしてしまいます。
摂取量はきちんと守り、健康的に認知症予防をしましょう。また、もしカロリーが気になるのであれば、えごまの葉を食べるようにしましょう!