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脳にいい食材「青魚」がもたらす認知症予防の効果

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青魚がカラダにいいとか、青魚を食べたら頭がよくなるとか、だれでも一度は聞いたことがありますよね?

実際に食べてその効果をハッキリと実感した!と言える人はなかなかいないと思いますが、それでも何の根拠もなく身体や脳に良いと言われているわけではありません。

知らず知らずのうちに、わたしたちの身体や脳に、良い作用をもたらしてくれていることに間違いはありません。

では、青魚が良いと言われる理由はどこにあるのでしょうか。

青魚がもっている目には見えないすごい栄養素(チカラ)!

DHA(ドコサヘキサエン酸)

必須脂肪酸の一種。

脳や目の網膜、心臓などの人間にとって大切な部分に多く含まれている栄養素でありながら、人間の体内ではほとんど作ることのできないものです。

DHAは脳神経の新生や脳を活性化する効果があると言われています。また、抗酸化作用や抗炎症作用にも関与する重要な物質です。

EPA(エイコサペンタエン酸)

DHAと同様に必須脂肪酸の一種で、自分自身で生成することが難しい栄養素です。

血液をサラサラにし、血栓をできにくくしてくれます。
動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を防ぐ効果があると言われています。

カルシウム

カルシウムは体内のミネラルの中で一番多く含まれているもので、大体体重の1~2%ほどを占めています。
主に骨や歯などの硬組織を構成する成分であることはよく知られていますが、実は血液などにも含まれている非常に重要な成分なのです。

カルシウムが不足すると骨粗鬆症や歯がボロボロになってしまうほか、高血圧や動脈硬化が引き起こされることや痙攣が起こることもあります。

タウリン

たんぱく質が分解される際に発生する物質であり、人間のさまざまな臓器や組織に含まれる重要な成分です。

肝機能の向上やコレステロールの減少、高血圧の予防に効果があると言われています。

体内での生成は必要量に足りないため、食品からの摂取に頼らざるを得ません。

makamuki0 / Pixabay

 

代表的なものを取り上げましたが、このほかにも、塩分を体外に排出する作用のある「カリウム」や、貧血予防や新生細胞の正常化をしてくれる「ビタミンB1,B2」、また眼精疲労に効くと言われる「ビタミンA」など、青魚にはたくさんの栄養が含まれています。

 

青魚の栄養素と認知症予防の関係

青魚に含まれる栄養素とその効果については、前記の通りですが、具体的に「認知症予防」に対してはどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。

「認知症予防」に特に大きな効果が期待できると言われているのは、「DHAとEPA」の2つの栄養素です。

DHAとEPAはともに不飽和脂肪酸の一種であり、性質や効能も似ている部分が多いと言われていますが、それぞれ特に秀でている作用があるのです。

まず、DHAですが、脳や脳神経に多く存在し、中枢神経にも作用すると言われています。
具体的には、脳神経の新生・再生により脳機能の維持を務め、抗酸化作用により神経の酸化を防ぎます。脳の働きを活性化し、加齢による認知機能の低下を防ぐ効果があります。

また、アルツハイマー型認知症の原因となる、アミロイドβという特殊なたんぱく質が脳に蓄積されることを防ぐ役割も担っています。

 

次にEPAですが、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、血液を固まりにくくする作用があります。血栓を予防してくれるため、脳血管性認知症の原因となる脳卒中や脳梗塞を防ぐ効果が期待できるのです。また、EPAは体内でDHAに変換されることもありますので、EPA自体は脳にはなかなか届きにくいと言われていますが、DHAに変換することで、脳神経にも好影響をもたらします。

 

そして、大変ありがたいことに、青魚には、DHAとEPAがセットで含まれています。

青魚をおいしくいただくことで、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症を同時に予防できるんですね!

 

効果的な摂取量と調理法

では、毎日どれだけの青魚を食べたらいいのでしょうか。

厚生労働省では、DHA+EPA=1日1g以上 を目標摂取量として公表しています。
厚生労働省:DHA・EPAの望ましい摂取量

1g以上が魚に換算すると一体どれほどの量になるのかというところですが、青魚の切り身1切れ(約100g)ほどとのことです。

 

また、食べる際の注意点ですが、DHAやEPAは熱に溶けやすいため、お刺身や汁物にして汁ごといただくのがよいとされています。炊き込みごはんなんかも栄養分が逃げずに摂取できていいですね。

しかしながら、毎日生魚を食卓に並べたり、お魚の汁ものを作るというのはなかなか難しいと思いますので、そんなときは、缶詰に頼るのもOKです。
一見、缶詰は栄養分が抜けてしまっているようにも思いがちですが、缶詰は旬の時期に獲ったものを加工しているため、手軽に効率よく栄養を摂取することができます。そして、缶詰の汁には青魚の栄養分がたくさん流れ出ているので、捨てずに汁ごといただきましょう。

ちなみに、、そんな缶詰を使ったお手軽認知症予防レシピは、以下の記事でご紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。

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lola56 / Pixabay

 

まとめ

青魚にどれだけの栄養素が含まれていて、認知症予防にも効果的であるかはよくお分かりいただけたかと思います。

現代の食生活では魚より肉を摂取することが増えてきていると言われていますが、
なぜ日本人は昔から魚を食べていたのか…
なぜ認知症は現代になり発症リスクが高まってきているのか…

そう考えてみると、やはり青魚の摂取量が認知症の発症率に影響しているのかもしれませんね。

 

日本はありがたいことにお魚に恵まれた国です。スーパーに行けばいつでも新鮮な魚を手に入れることができます。

おいしくて健康にもよく、認知症予防にも効く「青魚」。

今日からちょっと意識して、食卓に並べてみませんか。

 

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