認知症予防<生活>

いつもの散歩に1つプラスするだけの認知症予防

更新日:

みなさんは散歩するときに何か考えたりしますか?

歩きながら頭の中では何を思い浮かべているでしょうか。

ただぼーっと歩いている人もいれば、景色を楽しんでいるという人もいるでしょうし、おひるごはんには何を食べようかな…なんてことを考えている人もいると思います。

歩くことは健康にいいことですので、何も考えなくてももちろん問題ないのですが、せっかくのお散歩時間、もう少し有意義に使ってみたいと思いませんか?

いつもの散歩にちょっとしたことをプラスするだけで、簡単に認知症予防ができてしまうとしたら、それって試してみる価値アリですよね?

実際に、「散歩+○○」で認知症予防ができてしまうということなので、それが一体何なのか、ここから一緒に見ていきましょう。

 

 

 

認知症予防のキーポイントは「~しながら○○する」

近年注目されている認知症予防法の1つに「デュアルタスク」というものがあります。

この予防法は、その名の通り、2つの課題を同時に行うというものです。

例えば、洗濯しながらテレビをみたり、料理しながら歌ったり、歩きながら会話したりということです。右手で3拍子の指揮を振りながら左手では4拍子で指揮を振る…こんなこともデュアルタスクですね。

2つの課題を同時に行うことは、一見簡単なように見えて、実際は結構難しいものです。特に歳をとると、脳の働きが低下して、同時に二つのことを処理することが難しくなります。

そのため、若いうちから意識的にトレーニングしておくことはとても大事だと思います。

このデュアルタスクですが、特に「体を使う課題と頭を使う課題」を1つずつ組み合わせて設定するとよいと言われています。というのも、そもそも運動をすると認知症の手前の段階(軽度認知障害MCI)であれば、認知機能が改善すると言われています。そこに頭を使う課題をプラスすることで、さらに認知機能の改善が期待できると言われているのです。

 

なお、国立長寿医療研究センターでは、運動と認知課題を組み合わせた「コグニサイズ」という認知症予防法も開発されています。

コグニサイズも基本的にはデュアルタスクと同じで2つのことを同時に行うエクササイズでありますが、コグニサイズの留意点(前提条件)としては、

①運動と認知課題を組み合わせていること

②継続する(少しの時間でも毎日行う)こと

③ややきついと感じる程度の運動を行うこと

④慣れたら新しい課題にチャレンジすること

などが挙げられています。

<※参考:コグニサイズ(国立長寿医療研究センター)>

 

コグニサイズの一例として、「コグニステップ」を紹介します。

コグニステップ

以下2つの課題を同時に行います。

*認知課題*
1から順に数え、3の倍数で手をたたく

*運動課題*
右足を右へ→戻す→左足を左へ→戻す を繰り返す

簡単そうに思えて、ステップは4拍で手は3拍になるので、結構難しいんですよね…。
詳しくは、<コグニサイズ(国立長寿医療研究センター)>で図解してくれていますので、見てみてください^^

 

「散歩+○○」で簡単に認知症予防を始めてみよう

さて、デュアルタスクの中でも特に、運動課題と認知課題を組み合わせたものが認知症予防には良いということがわかりました。

では何から始めましょうか。

頭ではわかったものの、最初からいろいろと新しいことを始めるのはなかなか面倒ですよね(笑)

そんな腰が重いタイプのあなたには、まずは「いつもの散歩」にプラスで認知課題を組み合わせてみることをおすすめします。

それだったら、そこまで面倒ではないですよね?(笑)

1つだけ、散歩(運動課題)において意識したいのは、少し息が上がるくらいの歩き方をしたいということです。
例えば、大股で歩くとか、速足で歩くとか、何でもいいのですが、脈拍数が少し上がるくらいが、認知機能の改善には効果的と言えますので、そこだけご注意ください。

 

では、散歩にプラスする認知課題の例を5つ挙げてみます。ぜひ自分に合ったものを選んで試してみてください。

 

<①しりとり>

誰かと一緒に散歩しているならば、「しりとり」をしてみるのはどうでしょうか。
しりとりって意外と頭を使うんですよね。しかも、歩きながらで呼吸が上がっている状態だと、頭がなかなか働かないものなんです。

慣れてきたら、動物しばりにしてみたり、地名しばりにしてみたりするのも難易度が上がって楽しめます。

だまされたと思って試してみる価値ありですよ!

 

<②計算>

たとえば、7歩歩くごとに100から7を引くといったような計算です。
数字は何でもいいですが、5とか10のような計算しやすい数字はなるべく避けたほうが脳のトレーニングになります。

慣れてきたら、歩く歩数と計算する数字をずらしてみたり(3歩歩いたら4引くとか)すると、より効果的です。

 

<③漢字>

今日は「魚編」の漢字!と決めたら、歩きながらひたすら魚編の漢字を思い出すという地味なトレーニングです。(笑)

できれば思い出した漢字を空に書いてみるといいと思います。

書くことに夢中になって周りの人にぶつかったりしないように注意してくださいね。

 

<④目についたもの>

目に入ったものに関して意識をしてみてください。
たとえば、春の時期であればいろいろな種類の花が至る所に咲いていると思います。その花が目に入るたびに「あれはなんていう名前だったかな」と思い出す作業をしてみてください。

植物、動物、昆虫…何でもいいと思います。
ちょっとだけ意識していつもよりいろいろなものを見てみてください。

 

<⑤俳句>

俳句や短歌を作るのが好きな方であれば、こういったこともおすすめです。
歩きながら目にした風景で一句詠む・・・季語も入れて5・7・5にうまくおさめるというのは、かなり頭を使う作業です。
また、上手くできたときには、達成感を味わうこともできるというところも、おすすめしたい理由の1つです。

 

まとめ

認知症予防と聞くと、大変なことをしなければいけないのではないかと身構えがちですが、意外にもそんなことはないんですね。

毎日散歩をすることが習慣になっている人は、その散歩にプラス○○するだけで、簡単に認知症予防ができるので、今日の散歩からぜひ試してみてください。

散歩は全くしないという方も、問題ありません。大事なのは「デュアルタスク」です!
家の中であっても、足ふみしながら洗濯を干したり、話しながら掃除をしたり…できることはたくさんあります。すべてはちょっと意識するだけのことです。

もちろんこれだけで認知症が完全に防げるわけではないですし、他にも気をつけたいことはたくさんありますが、デュアルタスクをやるかやらないかでは、将来大きな差になって出てくると思います。

2つのことが同時にできなくなってくると、認知症への階段を上るスピードも上がります。なってから後悔しても遅いのです。

認知症になりたくないと思っている今こそ、デュアルタスクを始めてみるときではないでしょうか。

-認知症予防<生活>

Copyright© 認知症予防の始めかた , 2024 All Rights Reserved.