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「会話」こそ一番簡単で効果的な認知症予防法である

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「会話」こそ一番簡単で効果的な認知症予防法である。と、これまたたいそうなタイトルをつけてしまいましたが、皆さんはこれは本当のことだと思いますか?

普段何気なく行う「会話」ですが、あってもなくてもどうでもいいことのようで、実際のところ、脳にもたらす影響は大きいのです。

今回は、その「会話」が、認知症予防にどのように効果的と言えるのか。また、認知症予防法として取り入れるのであれば、会話にコツや特別な方法はあるのか。などといったことについて、詳しく見ていきたいと思います。

手軽に認知症予防を始めたいという方は必見ですよ!

 

 

会話不足は認知症の始まり? ~会話が脳にもたらす効果~

国立長寿医療研究センターが公表したある研究によると、社会的つながりが多い高齢者ほど、認知症を発症するリスクが減るといいます。

その研究では、①配偶者がいる ②同居家族と支援のやり取りがある ③友人との交流がある ④地域のグループ活動に参加している ⑤何らかの就労をしている という5つの項目において、5項目すべてに該当する人は、0~1項目に該当する人に比べ、認知症の発症リスクが46%も減少していたそうです。

 

また、ミシガン大学が行った研究によると、相手と仲良く親しみのある会話を行うと、脳の実行機能が1.8倍になったといいます。

実験の内容はというと、男女を以下の5つのグループに分けて、①~③のグループについては、2分で話したいことや相手に聞きたいことを考え、8分で会話をするというものでした。

①競争的な会話をする
②協力的な会話をする
③親和的な会話をする
④脳トレをする
⑤何もしない

結果として、③の親和的な会話をしたグループが一番脳の実行機能が向上したということです。⑤の何もしないグループと比べると1.8倍も向上していたと言いますから驚きですよね。

StockSnap / Pixabay

 

認知症予防法として会話を取り入れる価値はあるか

上記の2つの研究結果からも、会話が脳に良い影響をもたらすことはお分かりいただけたかと思います。でも、もっと具体的に、認知症予防に会話が効果的と言える理由が2つありますので、ここではその2つの理由をご紹介します。

 

①会話は脳全体を刺激する

普段私たちは、会話をするということは無意識に行っていますが、実は無意識の中でもいろいろなことを考えたり、いろいろな箇所を動かしたりしているのです。

例えば、聞いているときには、言葉・話を理解しようとしたり、話す雰囲気から感情を読み取ろうとしています。話す際には、口や舌を動かすだけでなく、考えを言葉で表現しようとしたり、言葉に感情をこめたり、記憶を引き出してきたりしています。

ざっと思いつくものをあげましたが、これだけでも脳内はフル回転です。上に挙げたものは、それぞれ脳内の違う部分を働かせています。例えば、口を動かすには前頭葉の運動野が働きますし、聞いたことを理解するには大脳皮質側頭葉のウェルニッケ野という部分が働くのです。

これだけ脳をフル回転させれば、脳に大きな刺激を与えられますよね?

だからこそ、会話は認知症予防に効果的と言えるのです。

 

②会話はストレス解消になる

ストレスがたまると、脳の認知機能は低下します。

ストレスを感じると、コルチゾールというホルモン物質が分泌されるのですが、ある研究によると、コルチゾールの量が多い人ほど、大脳の容積が小さくなったそうです。

大脳は、脳の大部分を占め、言語の認識や論理的思考をするほか、感覚や感性を司ったり、運動の指令を出したりと重要な働きをしています。そんな重要な部分の容積が小さくなるなんて恐ろしいですよね。

実際、コルチゾールの量が多い人ほど、記憶力・思考力のテストで低い点数だったという調査結果も出ています。

コルチゾールと認知症との関係については、現在も研究が進められているところではありますが、ストレスが脳に影響を与えることは紛れもない事実だと思います。

質の良い睡眠やバランスの良い食事をとるなど、規則正しい生活することで、ストレスを軽減することができますし、人との会話もストレスの軽減には有効です。

人に話すことで気持ちがスッキリした経験はみなさんもありますよね?

親しい人と会話をすることで、心を落ち着かせて、ストレスをためないような生活を送りたいですね。

 

認知症予防のための会話とは ~具体的な方法や会話のコツ~

認知症予防に効果的な会話の方法やコツですが、「親和的会話」を心がけるということではないでしょうか。

理由は上記でもお伝えした通りですが、会話の種類別に脳への影響を調査した研究によると、親和的会話が脳の実行機能を一番高めたからです。

実際に研究結果が出ていますので、この方法は信用に値すると考えられます。

 

親和的会話のできる相手が多くいればいるほど、認知症予防がしやすい(無意識でも予防しているような状況になる)と思います。当たり前のことではありますが、自分の傍にいる家族や友達を大事にしましょうね。

仮に家族や友人が遠方にいる場合は、電話でも効果は期待できますので、定期的に電話で会話をするようにしましょう。

1日10分でも会話をするのとしないのでは、脳への影響は大きく変わってきますよ。

 

また、親や祖父母など、認知症予防をしてほしい相手に話しかけるときは、なるべく穏やかな会話をするように心がけましょう。身内だとついつい喧嘩口調になりがちですが(笑)そういった会話は脳にあまり良い影響を与えませんので、気を付けるようにしたいですね。

 

まとめ

生活を送るうえで、日々ほぼ無意識に行っている「会話」ですが、会話の仕方によっては、認知症予防に効果が期待できるんです。

人と関わることは、面倒な部分もありますが、人生を楽しく有意義なものにもしてくれます。

繰り返しになりますが、家族や友人など、自分の傍にいてくれる心穏やかな会話ができる人を大切にしましょう。

 

ただ、家族は傍に折らず、なかなか心を開ける友達がいないという方もいらっしゃると思います。歳を重ねると新しい友人も作りにくいと思いますが、そういった方は地域のコミュニティに参加してみるのはいかがでしょうか。

みなさんのお住まいの地域にも、おそらく多くのコミュニティが存在していると思います。

何にも属していない人より、たくさんのコミュニティに属する人のほうが、刺激が多いので、認知症になりにくいのは明らかです。

社会的つながりを多く作り、心開ける友人も増えたら、認知症予防に効果があるだけでなく、人生が楽しくなるはずです。

行くまでは気が重いかもしれませんが、行けば人生がもっと楽しくなると思いますよ!

 

道具も知識も何もいらずに始められる認知症予防法。

「会話」で脳を活性化しましょう。

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